2. ネットワーク構成設計のチェックポイント
なぜそのような設計になったかをチェックする
通信・ネットワークシステムは、複数のノードもしくはサブシステムがネットワークによってつながり、相互に通信を行いながら何らかの機能を実現します。通信・ネットワークシステムを構成するサブシステムも同様の特徴を持っています。この特徴に関し、システムもしくはサブシステムがどのような構成要素(ノードもしくは下位のサブシステム)から構成されて、ネットワーク上にどのように配置されるのかを定義するのがネットワーク構成設計です。ネットワーク構成設計は、システム設計やサブシステム設計の出発点ともいえます。
ネットワーク構成設計のチェックとしては、なぜそのような設計結果となったのかの理由について確認を行ってください。なぜ二つの機能を二つのノードに分散して持たせたのか。なぜクラスタ構成にしたのか。設計に唯一の正解があるとは限りません。大切なのは、なぜそのような設計を行ったかについて、合理的な理由があることです。ネットワーク構成設計において「なぜそようようなノード構成にしたのか」の合理的な理由の例を、いくつか次の表に整理してあります。
| 大分類 | 具体例 |
| 物理的理由 |
- 空間上の制約がある
- 例えば、携帯電話の基地局は電波の到達範囲の制約があるため、サービスエリア内に多数設置する必要があります。
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- 通信帯域上の制約がある
- 例えば、携帯電話の基地局は一台あたりの通信帯域に上限があるため、人口密度が高い地域では基地局を密に多数設置するという設計が必要になります。
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- 装置の物理的性能に限界がある
- 大規模サービスを行う場合、一台の装置では求められるパフォーマンスを実現できずにノードの多数化による負荷分散を図らねばならない場合があります。
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| 社会的理由 |
- 利用場所に関する要求がある
- 例えば、銀行ATMシステムの場合、お客様であるユーザの便利さを実現するためには、ATM端末をあちこちに配置しなければなりません。
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- オペレーションを集約させたい
- 例えば、多数設置された機器でユーザの認証を行う場合、オペレーションの省力化のために認証情報を集約して取り扱う認証サーバを立てることが多いです。
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- 複数の設置者・管理者が存在する
- 例えば、独禁法上の理由でインフラ設置者とサービス提供者を分離しなければならないシステムでは、インフラ管理の機器とサービス提供の機器を分離する設計を行います。
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- 何らかの標準規格に準拠した製品を作りたい
- 標準規格によっては、機器構成が指定されている場合があります。なお、標準規格の背景には相応の物理的、社会的、もしくは技術的な事情があります。
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| 技術的理由 |
- データ同期に技術的困難がある
- 例えば、銀行ATMシステムを考えた場合、多数の端末間で出納データの同期を取ることは容易でなく、集中管理を行う中央サーバを立てる設計が合理的であります。
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表1. ネットワーク構成設計におけるノード構成の合理的理由の例